時間と音楽~シュトックハウゼン3 [音楽]
音楽において時間とは何か?
音楽が時間的に感じられるのは、構成する音が振動の周波数を空気をかんして聴覚で認識するからあたりまえなのだろうか。
確か、ストラヴィンスキーが音楽のみが時間を感じさせる唯一の芸術だと述べていたとおぼえている。シュトックハウゼンが十二宮を作曲した後、時間を主題もしくはそのものを作曲するのは、音楽と時間との関係の重要性を感じさせる。または時そのものを表現しえる音楽の可能性の追求かもしれない。
時の停止は、キリスト教的には世界の終末(最後の審判)を意味していたはず。メシアンの「時(世)の終わりの四重奏曲」は黙示録の終末の音楽だった。時の停止を扱ったシュトックハウゼンの音楽は「火曜日」の第1幕「暦年」で時の進行と停止をめぐる争いが描かれていたのだが、停止より進行が重視されているようだ。時の進行=人類の進歩となるようだ。「暦年」が人類の進歩を信じる曲と邦訳された論文集の前書きにある。
1年をSirius「シリウス」、1週間をLicht「光」で作曲完了し、現在1日をKlang「響」で作曲中。あとはインタビューで回答していたように、1時間・1分を作曲し、最終作で1秒を作曲するらしい。1秒に関しては、多層的な構造で長時間聴き続けるものと言っているが、もうすべての構想はできているのだろうか?
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